大学事務は一見、楽そうに見える仕事として人気があります。静かな環境、安定した勤務体系、ワークライフバランスの良さ――求人広告にはそんな魅力的な言葉が並びます。しかし実際には、学生・教員対応の大変さ、クレーム処理といった感情労働、ミスが許されない環境など、表には見えない裏側のストレスがつきまといます。
とくに派遣や非正規といった立場で働く人たちは、曖昧な業務範囲や不安定な契約、雑務の集中など、厳しい現実を経験しやすい傾向にあります。配属ガチャによっては激務部署に配属され、忙しい時期には民間企業以上の負担感を感じることも少なくありません。
給与と業務量のギャップに悩み、「この仕事に将来性はあるのか?」とキャリア不安を抱える人も増えています。安定している反面、成長の機会が少ないという“安定=退屈な職場”という側面も見逃せません。
この記事では、そんな大学事務の実態を掘り下げ、「しんどい」と感じる理由や、仕事がつらいと感じる人へのヒント、さらには辞めたい・転職したいという気持ちにどう向き合うかまで詳しく解説していきます。仕事の向き不向きに悩んでいる方も、きっと自分に合った答えが見つかるはずです。
- 大学事務が楽そうに見えて実はハードな理由
- 配属や雇用形態によって異なる働き方の実情
- 仕事の向き不向きと辞めたくなる主な原因
- 転職やキャリアの選択肢と可能性
大学事務はしんどい?実態を暴露

- 大学事務って本当に楽なの?実はしんどい実態とは
- 「楽すぎ」と言われる大学事務の裏にある社畜的リアル
- 大学職員のきつい部署ランキング【社畜ルポあり】
- 大学事務の忙しい時期は?地獄の繁忙期カレンダー
- 月収いくらでこのしんどさ?大学事務員の給料事情
- 国立大学職員の実情「安定=辛抱」だった件
大学事務って本当に楽なの?実はしんどい実態とは
大学事務は「楽そう」「安定している」といったイメージを持たれやすい職種です。求人広告でも「落ち着いた職場」「ワークライフバランス良好」といった文言が並ぶため、特に事務職志望者や主婦層の間で人気があります。ところが、実際に現場で働く人たちの声を聞くと、そのギャップに驚かされます。
例えば、SNSで話題になった投稿では「毎日座ってるだけって思われてるけど、実際は学生・教員・外部業者対応で一日が終わる」と語られていました。私の知人も派遣で大学事務を経験しましたが、「電話対応だけで午前中が終わる。午後はひたすらExcelの入力と書類の誤字脱字チェック。気がつけば定時」という具合で、想像していた“ゆるさ”はほとんどなかったそうです。
このように、「大学事務=楽」という印象は、仕事内容の一面しか見えていない場合が多いです。表面的には淡々とした業務に見えるかもしれませんが、実際にはミスが許されない細かい業務が多く、精神的なプレッシャーも無視できません。特に学生対応では、クレーム処理や感情労働も伴うため、ただの「裏方作業」とは言い切れないのです。
一見穏やかそうな環境に見えても、その実態には見えづらいストレスが潜んでいます。「楽かどうか」は人によりますが、少なくとも“楽すぎて暇”というほど単純な職場ではないのです。
「楽すぎ」と言われる大学事務の裏にある社畜的リアル

「大学事務は楽すぎる」といった評判がネット上で目立つようになったのは、働く環境が比較的静かで、ルーティン業務が多いからかもしれません。たしかに、営業ノルマのようなプレッシャーはなく、上司の当たりが柔らかい職場も多いです。しかし、その“楽さ”には落とし穴があります。実際は、「楽だから辞めづらい」「暇なのに気疲れする」といった“社畜的な悩み”が蔓延しています。
私の周囲では「暇なのに辞められない空気感が地味にキツイ」という声を多く聞きます。特に非正規や派遣として働いている人にとっては、職場の空気を壊さないように無言のプレッシャーを感じながら働く日々。指示が少なくても「自分から仕事を探すべきなのか?」「動いたらかえって迷惑なのでは?」といった迷いで神経がすり減っていくそうです。
また、効率性よりも“慣例”が重視される文化も独特です。古いExcelファイルをコピーし続ける文化、ハンコの押し方一つにうるさい上司――こういったアナログなやり方が残っており、改善提案をしても受け入れられないことも。こうした風通しの悪さが、「何も変わらない場所」で働き続ける徒労感を生んでいます。
つまり、「楽すぎる」のは裏を返せば「成長機会が少なく、仕事の刺激も乏しい」ということ。楽=幸せではなく、退屈や不満が積もることで心が削れていく。それこそが“社畜的リアル”なのです。
大学職員のきつい部署ランキング【社畜ルポあり】

大学職員の中でも、部署によって業務のハードさには天と地ほどの差があります。どこに配属されるかで、仕事の難易度も精神的な負担もまるで違うため、配属ガチャと揶揄されるほどです。
例えば、入試課はトップクラスの激務です。年中行事のように大規模イベントがあり、土日出勤や長時間労働が発生しやすい環境。説明会やオープンキャンパスでは学生や保護者からの質問に即答しなければならず、精神的なプレッシャーも強いです。SNSでも「入試課だけはやめておけ」という声が散見されます。
次にきついとされるのがキャリアセンター。学生の就活を支援する役割を担っているため、個別相談から企業との調整、イベント運営まで仕事は多岐にわたります。特に就活シーズンになると、学生の不安や焦りを毎日のように受け止める必要があり、感情労働の側面が色濃く出る部署です。
一方で、研究支援課や財務部門は、業務の正確さと専門知識が求められます。地味なように見えて、予算の調整や学内外との調整が多く、細かな数字と向き合う毎日が続きます。失敗が許されないため、プレッシャーが常に付きまとう職場です。
このように、大学職員=楽な仕事という認識は部署によって完全に覆されます。「どこに配属されるか」が人生を左右するレベルで重要であり、それが“大学職員の落とし穴”なのです。
大学事務の忙しい時期は?地獄の繁忙期カレンダー

大学事務は「季節によって忙しさが変わる仕事」と言われます。確かに、年中まったりしているわけではありません。時期によっては、民間企業の繁忙期を凌ぐほどの地獄が訪れるのです。
まず、最も忙しいのが3月~4月です。卒業式・入学式・新学期の準備が重なり、学生情報の更新、証明書発行、教室割り当てなど業務が山積みになります。この時期は、定時退勤など夢のまた夢。休日返上で対応する職場も珍しくありません。
続いて、6月~7月の前期末と12月~1月の後期末も忙しくなります。試験関連の対応や成績処理、成績開示トラブル対応など、短期間で集中する業務が多いのが特徴です。特に期末試験の時期は学生対応が増えるため、カウンターは常に長蛇の列。中には「自分のことしか考えてない学生に一日中振り回されて疲弊した」という声も。
また、大学祭やオープンキャンパス前後も意外と大変です。企画部門や広報部署では、資料作成・業者対応・スケジュール調整など裏方作業が多く、イベント成功のために奔走します。
このように、大学事務は“波のある働き方”であり、油断していると一気に業務が押し寄せてくる特性があります。忙しくない時期との落差が激しいため、「体力とメンタルのコントロールが難しい」と感じる人も多いのです。
つまり、「忙しい時期だけ地獄」というより、「忙しい時期が定期的に来るので、気を抜けない仕事」と言ったほうが正確かもしれません。
月収いくらでこのしんどさ?大学事務員の給料事情

大学事務員の給与は、安定しているとよく言われます。しかし実際に働いている人の中には、「この忙しさと責任感に対して、見合っていない」と感じる人も少なくありません。特に非正規雇用や派遣の立場で働く場合、そのギャップはより深刻です。
例えば、ある地方私立大学で派遣事務員として働く30代女性の月収は、手取りで18万円前後。一見するとそれほど悪くないように見えるかもしれませんが、交通費込みであり、賞与や昇給も基本的には期待できない状況です。それでいて、学部長や教授の資料作成補助、学生対応、電話応対、システムへの入力作業など、業務範囲は驚くほど広いのが現実です。
一方、正規職員であれば年収ベースで500〜700万円を超える場合もあります。ただし、年功序列が強く、若手職員のうちはそれほど高収入ではありません。また、部署によっては残業が多く、時期によっては休日出勤もあるため、コストパフォーマンスの面で不満が残ることもあるようです。
加えて、「大学は潰れない」という安心感からブラックな職場環境が温存されやすい点にも注意が必要です。給与が安定していても、メンタル面で消耗してしまうようでは、長く続けるのは難しいでしょう。
給与だけを見れば“割に合っている”と思われるかもしれませんが、その裏には「成果ではなく年数で評価される」「スキルアップの機会が少ない」「理不尽な対応があるのに昇給なし」といった不満が溜まりやすい構造が存在します。月収以上に、「その仕事が自分の人生にとって納得できるものか」を見極めることが重要です。
国立大学職員の実情「安定=辛抱」だった件

国立大学の職員というと、多くの人が「安定していてうらやましい」と感じるかもしれません。たしかに、倒産リスクは低く、福利厚生も整っている点では民間企業より安心感があると言えるでしょう。けれど、実際に働いている職員の声に耳を傾けると、「その安定の裏には多くの我慢がある」という現実が浮かび上がってきます。
たとえば、国立大学で働く40代の男性職員はこう語っています。「昇進の道が限られていて、どれだけ努力しても評価に反映されにくい。成果よりも勤続年数がモノを言う世界なので、モチベーションを保つのが大変」と。つまり、年功序列と縦割りの体質が強く残っているのです。
さらに、業務フローの非効率さも課題です。紙の申請書類や印鑑文化が根強く残っており、他部署との調整も一筋縄ではいかないケースが多いようです。変化を嫌う風土があるため、効率化の提案は通りにくく、結果として現場のストレスは高まりがちです。
また、教授や学長といった“上位階層”との距離も大きな壁になっています。立場上、教員のサポート役に徹する必要があるものの、無茶な依頼や理不尽な指示に逆らえず、精神的な負担を抱えてしまう職員も少なくありません。
このように、「安定しているから良い」という単純な話ではないのが国立大学職員の実情です。守られている環境である一方、自らの裁量を持ちにくく、改革のスピードも遅い。そうした“辛抱強さ”が求められる環境だからこそ、適応できるかどうかが長く続ける鍵になるのです。
大学事務がしんどい…もう辞めたい時の脱出のヒント

- 派遣で入ったけど限界…大学事務を辞めたいと思う瞬間
- 大学事務は楽しい?→一部だけ。向き不向きがはっきり分かれる世界
- 大学職員を辞めてよかった人たちのリアルな声
- 大学職員からの転職は難しい?社畜脱出ルートを考える
- 大学事務がしんどいと感じる理由を総まとめ
派遣で入ったけど限界…大学事務を辞めたいと思う瞬間
派遣社員として大学事務に入った人の多くは、「安定していそう」「静かな環境で働けそう」といった期待を抱いています。実際、求人広告にはそのような文言が並び、未経験OK・残業少なめという条件にも惹かれがちです。ところが、いざ現場に立ってみると、その理想とのギャップに悩まされるケースが後を絶ちません。
ある30代女性は、大学の学生課に派遣で勤務しましたが、「毎日学生対応が絶えず、トラブル対応に追われて昼休みもまともに取れなかった」と言います。しかも、職場の人間関係は閉鎖的で、派遣にだけ雑用が集中しがち。正規職員との待遇差にも不満が積もっていきました。
加えて、派遣という立場上、業務範囲が明確に区切られておらず、「これは契約外です」と言いづらい空気感があります。正規職員からは軽く見られ、相談しても「臨機応変にやって」と丸投げされることも。こうした理不尽さが積み重なり、心身ともに限界を感じてしまうのです。
さらに、契約の更新に対する不安も常に付きまといます。「頑張っても雇用が継続されるとは限らない」という状況は、働くモチベーションを削ぎ、将来への不安にもつながります。
派遣という働き方が悪いわけではありませんが、大学事務の現場においては、理想と現実の差が激しいことを理解しておく必要があります。辞めたくなる瞬間は、「自分の価値が軽視されている」と感じたときに訪れるのです。
大学事務は楽しい?→一部だけ。向き不向きがはっきり分かれる世界

大学事務の仕事は、一見すると“地味で穏やか”な印象を与えます。確かに、刺激的な変化やプレッシャーの強い業務は少ないかもしれません。しかし、その静かな職場環境が「楽しい」と感じられるかどうかは、人によって大きく異なります。向き・不向きが非常に分かれる仕事と言えるでしょう。
例えば、決まった手順に沿って作業を進めるのが好きな人や、裏方としてサポートすることにやりがいを感じる人にとっては、大学事務は非常に居心地が良い職場です。ルーティンを丁寧にこなすタイプの人には「自分に合っている」「毎日が平和」と感じることもあるでしょう。
一方で、変化を求める人や、成果を明確に評価してもらいたいタイプの人にとっては、退屈に感じやすい仕事でもあります。「毎日が同じことの繰り返し」「頑張っても何も変わらない」と感じるようになると、仕事へのモチベーションが下がってしまうのは時間の問題です。
ある元大学職員の男性は「最初の1年は新鮮だったけど、2年目からは時間が止まっているような感覚になった」と語っていました。つまり、職務の幅が広がらないまま惰性で働く状態に陥りやすいのです。
また、意外と人間関係のストレスも無視できません。教員や学生、外部業者との調整に加え、内部でも上下関係が強く、組織内のルールを優先せざるを得ない場面が多く存在します。こうした“息苦しさ”が楽しいと感じられなくなった瞬間、辞めたくなる気持ちが芽生えるのです。
このように言うとネガティブな印象を受けるかもしれませんが、大学事務には独自のやりがいや魅力も確かに存在します。ただし、それは「自分の性格や働き方とマッチしていれば」という前提付き。やりがいを見出せるかどうかは、自分自身の価値観と照らし合わせる必要があるのです。
大学職員を辞めてよかった人たちのリアルな声

大学職員は「ホワイト」「安定」「激務ではない」といったイメージが定着しています。そのため、辞めるという選択に対しては「もったいない」「何が不満なの?」といった周囲からの理解されにくさも伴います。しかし現実には、大学職員を辞めて「人生が変わった」「もっと自分らしく働けるようになった」と語る人たちが確かに存在します。
ある30代男性は、私立大学の総務課で働いていました。年収は600万円超、土日祝休み、有給も比較的取りやすいという、傍目には理想的な職場です。ただ、実態は毎日変わらないルーティン業務と、年功序列による硬直した組織。新しいことを提案しても「前例がない」の一言で却下され、次第に自分の存在価値を感じられなくなったといいます。結果、思い切ってIT企業へ転職。「日々、頭を使って課題に向き合う仕事の方が自分には合っていた」と語っていました。
一方で、20代女性は派遣職員として大学の学生課で勤務していました。職場の空気感は穏やかだったものの、やりがいを感じる瞬間が少なく、評価制度も曖昧。「成長したい」という気持ちが強まる中で、自ら勉強を重ね、キャリアカウンセラーとして転職。「学生時代からの夢だったキャリア支援に関われている今が、一番充実している」と話しています。
これらのエピソードから分かるのは、辞めたことを「後悔していない」という共通点です。大学職員という職業が悪いわけではありません。ただ、そこに適性があるかどうか、今の働き方に納得感があるかどうかが非常に重要なのです。
安定の裏に「退屈」や「閉塞感」があると感じたなら、その声を無視するべきではありません。辞めることはリスクではありますが、それによって“自分らしい人生”を取り戻した人が数多く存在するのです。
大学職員からの転職は難しい?社畜脱出ルートを考える

大学職員を辞めて民間企業や異業種へ転職することは、簡単ではありません。実際、「つぶしがきかない職種」とも言われることがあります。なぜなら、大学職員は非常に特殊な環境で働いており、業界や組織の論理が一般企業とは大きく異なるからです。
例えば、業務内容は細分化されており、1つの部署で長期間働くことは少なく、数年ごとに異動があるのが一般的です。そのため、専門性を深く磨く機会が限られ、「何ができるのか?」と問われると、自信を持ってアピールしにくい傾向があります。また、年功序列の色が濃く、「自ら提案し、結果を出す」という民間企業的な働き方に馴染みにくいこともあります。
一方で、大学職員ならではのスキルも確実に存在します。たとえば、イベントの運営や外部との折衝、学生・教員への対応など、「調整力」「事務処理能力」「マルチタスク対応」などは、バックオフィス系の仕事で十分に評価されるスキルです。
実際、ある元大学職員の女性は、キャリアセンターでの経験を活かし、人材紹介会社へ転職しました。「学生との面談経験が、転職希望者との面談にも活きた」と言います。別のケースでは、入試課にいた職員が広報経験を活かしてマーケティング職へ。大学での経験がそのまま民間企業の戦力となった好例です。
転職が難しいと感じるのは、自分の経験がどう活かせるのかを言語化できていないことが多いのです。このように考えると、必要なのは「実績」よりも「棚卸しと伝え方」。自己分析をしっかり行い、大学職員としての経験をどう転用するかを考えることで、社畜的な環境から抜け出すルートは確実に存在します。
むしろ、転職市場では「落ち着いていて真面目」「調整型のバランサー」として評価されやすいのが大学職員出身者の特徴です。大事なのは、「大学の中しか知らない自分」と諦めないこと。視点を変えれば、その経験は立派な武器になります。
大学事務がしんどいと感じる理由を総まとめ
- 見た目よりも業務量が多く対応力が求められる
- 教員・学生・業者対応で気を抜ける時間が少ない
- 表面的な「楽さ」が実は精神的なプレッシャーの元
- 派遣や非正規は立場が弱く雑務が集中しやすい
- 暇な時間でも空気を読み続ける気疲れがある
- 年功序列が強く、成果が評価されにくい
- 古い慣習が多く、改善提案が通りづらい職場風土
- 忙しい時期と暇な時期の落差が激しく体調管理が難しい
- 入試課やキャリアセンターなど激務部署に当たると過酷
- 給与が責任や業務内容に見合わないと感じる人が多い
- 教員との関係性が上下で、理不尽な依頼を断りづらい
- 契約更新の不安定さが常にストレスになる
- 変化が少なく、成長実感を持ちにくい仕事構造
- 学生対応では感情労働が多く精神的に削られる
- 転職難易度が高く、現状に不満があっても辞めにくい