仕事中、メールやチャットで「〜いただいております」という表現、本当によく使いますよね。私も正直、入社したての頃は「これで合ってるのかな?」と不安になりながら、なんとなく周りに合わせて使っていました。
でも、この言葉はビジネス敬語の「超・基本」です。正しく理解しておけば、取引先への印象がぐっと良くなりますし、何より自分自身のコミュニケーションに自信が持てるようになります。忙しい日々の合間に、サクッと整理してしまいましょう。
この記事のポイント
- 「いただいております」の正しい意味と構造を理解できる
- 二重敬語なのかどうか、文法的なモヤモヤを解消できる
- シチュエーション別の正しい使い方が分かる
- 「させていただいております」との使い分け術が身につく
忙しい社畜こそ知っておきたい「いただいております」の正しい使い方

まずは基本の確認です。何気なく使っている言葉ですが、構造を分解すると「なるほど!」と納得できるはずですよ。
もらっているの?それとも何かの状態?基本の意味と構造
「いただいております」を分解すると、「いただく」と「おります」という二つの言葉が見えてきます。「いただく」は「もらう」の謙譲語で、相手を立てるための大切なクッション。そして「おります」は、「いる」の丁寧な表現ですね。この二つを合わせることで、「ただ単に受け取った」という過去の事実だけでなく、その恩恵を今も受けているという「現在の状態」まで、相手への敬意を込めて丁寧に伝えることができます。 たとえば「資料をいただいております」と言えば、単に受け取っただけでなく「大切に手元で管理しています」というニュアンスまで相手に届きますよね。受け取った事実をただ述べるだけでなく、その後の状況を共有することで、相手とのやり取りに安心感や誠実さをプラスできるのがこの言葉の魅力です。日々のコミュニケーションで、感謝や現状報告を伝える際の心地よい架け橋になってくれますよ。
二重敬語って本当なの?文法的なモヤモヤをスッキリ解決
メールを書いているとき、「これって敬語を重ねすぎていないかな?」とふと不安になること、ありますよね。でも安心してください、「いただいております」は二重敬語ではありません。文法的に正しく、ビジネスの現場でも自信を持って使える表現です。 二重敬語というのは、例えば「ご覧になられる」のように、同じ種類の敬語を重ねてしまう状態を指します。一方、「いただいております」は「いただく(謙譲語)」と「おります(丁重語)」という、異なる種類の敬語が上手く組み合わさった形なんです。二つの謙譲語が重なっているわけではないので、ビジネス文書や大切な方へのメールでも堂々と使って大丈夫ですよ。むしろ、相手への配慮がしっかり伝わる、丁寧な言い回しといえます。
二つの異なる種類の敬語を組み合わせた形なので、二重敬語ではありません。
より正確な敬語の定義はこちらを参考にしてください。(出典:kantokushi.or.jp)
誰かに頼むときや評価をもらうときの活用シーン
ビジネス現場で「いただいております」を使いこなすためのヒントは、やはり「相手からの好意やアクションに対して感謝を添えたい」という気持ちを込めることです。単に「受け取った」という事実を伝えるだけでなく、「おかげさまで、こんなに恵まれた状況です」という感謝のニュアンスが含まれていると、相手との関係性がより温かいものになります。 例えば、「貴重なご意見をいただいております」という言葉には、相手がわざわざ時間を割いて意見をくれたことへの敬意が、「担当者様よりご連絡をいただいております」には、こちらが待っていた情報を送ってくれたことへの安堵感が自然と伝わります。もちろん、「現在、多くのお問い合わせをいただいております」のように、現状を淡々と報告する場合にも大活躍します。この表現をうまく使うことで、事務的な連絡にも、相手を大切に思う「心の通った響き」をプラスすることができるんですよ。
正しい敬語についてはこちらも参考に!面接で言葉遣いが原因で落ちる?好印象を残す敬語のポイントも参考になります。
知らないと恥ずかしいビジネス現場でのよくある間違い
うっかりやりがちなのが、相手の動作に対してこの言葉を使ってしまうケースです。「部長がご連絡をいただいております」と言ってしまうと、部長が誰かから連絡をもらっている状況を伝えていることになり、結果として部長の立場を下げてしまう可能性があります。ビジネス敬語の鉄則は、誰がその動作をしているのかを明確にすること。この場合、自分や自社が恩恵を受けているときだけ使うのがルールだと覚えておきましょう。 言葉は、誰に向けた敬意なのかを整理するだけで、格段にスマートに響くようになります。「部長からご連絡をいただきました」あるいは「部長に承知していただきました」など、主語を誰に置くかを意識するだけで、相手を敬う気持ちがしっかりと伝わるはずです。細かいことですが、こうした敬語の使い分け一つひとつが、周囲からの「この人は仕事ができるな」「信頼できるな」という評価につながっていくものですよ。ぜひ次回のメールや会話から、少しだけ「主語」に意識を向けてみてくださいね。
状況に合わせてスマートに使い分けたい言い換えのバリエーション
「いただいております」は確かに便利で万能な表現ですが、文章の中に何度も登場すると、どうしても単調で説明的な硬い雰囲気になってしまいがちです。相手との距離感やその場の空気に合わせて、少しずつ表現の引き出しを増やしていくと、より洗練されたコミュニケーションが取れるようになります。 たとえば、公式なビジネス文書や格式高いメールなら「拝受しております」とすることで、グッと知的な印象を与えられます。逆に、もっと相手から何かを授かったというニュアンスを強調したいときは「賜っております」という言葉を添えることで、深い感謝の念を伝えることができますよね。また、少し親しい間柄であれば、あえて「いただいています」と少し力を抜いて伝えるのも、気取らない誠実さが出て素敵です。相手との関係性やシチュエーションに応じて、「今日はどの言葉が一番しっくりくるかな?」と選ぶ楽しみを覚えると、ビジネスメールを書く時間がもっとクリエイティブで楽しいものになりますよ。
文脈に応じて「拝受しております」なども使い分けると洗練された印象です。
「させていただいております」との使い分けで周囲に差をつける

似ているようでちょっと違うのが「させていただいております」。実はこれ、使い所を間違えると「くどい」と思われてしまうんです。正しい使い分けのルールを解説しますね。
相手の許可と恩恵という条件を理解する
「させていただく」という言葉は、実は非常に慎重に扱うべき丁寧語の一つです。先ほども触れたように「相手から許可を得ていること」、そして「その行動によって自分自身が利益や恩恵を受けること」という二つの条件をクリアしているか、一度立ち止まって考えてみることが大切です。この二つが揃って初めて、相手への謙譲の意が美しく伝わるものなんです。 よくある例として「会議に参加させていただきます」がありますが、これは相手の開催という状況に乗せてもらうことで、自分が学びや成果を得るという意味で非常に正しい使い方です。もし、「発表させていただきます」という場合も、発表する機会を相手から与えてもらったという背景があるはずですよね。この論理を意識しておけば、取引先や上司に対して不自然な表現を使ってしまうリスクを減らせます。ただ、あまりにも頻繁にこの言い回しを使ってしまうと、相手の許可をいちいち仰いでいるような、少し頼りない印象にもなりかねないので、ここぞという場面で使うのが一番効果的ですよ。
周りくどい表現になっていないか見直すポイント
ついつい「丁寧に書かなきゃ!」と気合を入れるあまり、どんな文末も「〜させていただいております」で締めてしまいたくなる気持ち、よく分かります。でも、何でもかんでもこの表現を重ねてしまうと、文章全体が重苦しくなり、かえって言いたいことが伝わりにくくなってしまうことも。特に「ご報告させていただきます」といった表現は、ビジネスシーンで便利ですが、シンプルに「ご報告いたします」と言い切るほうが、相手には誠実で力強く、また自信がある印象として届くことが多いですよ。「〜させていただく」は、相手から許可をいただいたという事実を強調したい、特別なタイミングでのワンポイントとして使うのが、大人のスマートな言葉選びと言えるかもしれません。 よくあるのが、駅のトイレや施設の張り紙で見かける「警備員が巡回させていただいております」という表現ですね。一見丁寧に見えますが、巡回は警備員さんの本来の職務であり、誰かの許可や恩恵を受けているわけではありません。これでは、言葉の主語がぼやけてしまい、かえって違和感を生んでしまいます。この場合は「警備員が巡回しております」とするほうが、プロとしての確実な仕事ぶりを感じさせますよね。何でも丁寧にすれば良いというわけではなく、言葉の引き算をして、その行動の主体性を大切にすることも、信頼を得るための大切なコツですよ。
謝罪や依頼のメールでつい使ってしまう過剰な敬語に注意
謝罪のときに「ご迷惑をおかけさせていただき…」と使ってしまうことはありませんか?実はこれ、少し気をつけたい過剰敬語の典型なんです。相手に許可を求めているような、どこか回りくどく、自分を主体にしすぎた響きになってしまうことがあるからですね。本来の謝罪の場では、相手に非があるような印象を与えかねないため注意が必要です。 代わりに「ご迷惑をおかけしてしまい、心よりお詫び申し上げます」と素直に伝えた方が、誠意はぐっと相手の心に響きます。丁寧さを意識するあまり言葉を重ねすぎて、かえって距離を感じさせてしまうのはもったいないもの。相手との関係性を大切にしたい場面ほど、シンプルで温かみのある言葉選びを心がけてみてくださいね。
丁寧なメールの送り方はこちら。内定辞退で電話したくない!メールで誠実に伝える方法を徹底解説も参考になります。
誰でもすぐに使える「いただいております」のまとめと活用法
ここまで「いただいております」を中心に、正しい敬語の使い方を一緒に見てきました。重要なのは、言葉の構造を理解した上で、「今の自分の状況に合っているか?」と一呼吸置くことです。
ビジネス敬語は相手への敬意の表れですが、一番大切なのは「正しく伝えること」です。難しく考えすぎず、今日から少しずつ使い分けてみてくださいね。正しく言葉を使えるようになると、社内での評価もきっと「いただいております」……なんて、良い結果が返ってくるかもしれませんよ!

